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所長のカウンセリングアドバイス:善人と悪人
2017.03.14
「es:エス」という映画があります。
心理学者フィリップ・ジルバードが行った
実際にスタンフォード大での「監獄実験」を基に作られた映画です。
ボランティアで募った大学生を
看守役と囚人役に分け、
監獄を再現して、その環境の中で
看守役と囚人役が
どのような行動を取るか2週間に渡り実験をします。
結果は、
6日後には実験を中止しなければならない状況になりました。
看守役は、
より看守になりきり囚人たちに対して屈辱を与えます。
異常なまでのサディスティックな事を行い、
実験中止後も、まだ続けたいとまで言います。
囚人役は初めは反抗しても、
精神的に追い詰められ人格が破壊され、
実験の中止を喜びました。
実験者は、異常なまでの看守と囚人の関係を
止めることが出来なくなります。
この実験を続ける事による心理的変化を観察したく、
実験を止められなくなります。
この実験に参加した人たちは、
当然、ボランティア参加ですから被験者は皆、
ごく普通の常識を持った一般人です。
看守や囚人が、どの様なことをするかは知りません。
なのに、その環境に染まっていくのです。
「ジギル&ハイド」です。
私たちの心の中に「善と悪」同居しているのです。
環境の中で「善と悪」が顔を出すのです。
幸せを願いながら、
人の不幸を喜んでいます。
皆と格差のない社会、平等を願いながら、
他者よりより良い収入、地位、幸せを望んでいます。
「いじめ」のカラクリにも通じます。
でも、これが普通の人間、私たちなのです。
この矛盾した心が同居しているのが
「私」なのです。
「善人と悪人」が心の中に共存して「私」なのです。
もう少し、肩肘張らないで
ファジーにいきましょう!