【心理カウンセラーになるために】第8回:小説を読む
読む力
カウンセラーには読む力が必要です。
クライエントが語ってくれる心の叫びを読む力が、カウンセラーには必要です。でも、語ってくれる話だけでは、心の叫びは聴き取れません。
クライエントのチョットした仕草からも心を読みます。
クライエントのイントネーションからも心を読みます。
クライエントが話しに詰まったところからも心を読みます。
クライエンが拘っているところを読みます。
クライエントは、ありとあやゆる処から、メッセージを繰り出してきます。
イマジネーション
カウンセラーには「イマジネーション:想像力」が必要です。
クライエントは色々な話をしてくれます。
苦しい話こと、悲しいこと、悔しいこと、辛いこと、怒りに満ちたこと等、色々とその時の様子、状況を交えて話をしてくれます。
クライエントは悩みの当事者ですから、詳しく伝えてくれます。でも、カウンセラーは悩みの当事者でもないのでクライエントの置かれている状況は分かりません。
カウンセラーはクライエント自身にはなれません。
カウンセラーは悩みの当事者ではないのですから、幾ら話を聴いても、置かれている環境、状況にクライエントと同じ感覚にはなれないのです。でも、私達カウンセラーはクライエントの思いの中の世界に居なければならないのです。
クライエントの話を聴いて、クライエントの置かれている環境、状況を想像して、クライエントの気持ちを汲まなければなりません。でないと、クライエントは「分かってくれない」と、受け取ります。
その為にも、想像力が必要なのです。
小説を読む
クライエントの気持ちを汲むために、小説を読みませんか?
小説を読みながら、何を想像していますか?
小説には主人公が居ますし、それに関連する人物が一杯出て来る上に、色々な背景、環境、状況、登場する時代などを、文字で伝えてきますが、ここに映像は有りません。
読者が想像した世界が広がります。
主人公の顔、容姿、しゃべり方、癖、特徴・・・等々を物語から、読者が勝手に想像して決めています。背景、状況、環境、関係者との関わり方などを、物語:文字を読み、想像して居ます。
結果、その小説の中に登場人物の如く、小説の世界に入り込んでいます。
カウンセリングも同じ事が言えます。
クライエントの話を聴き、クライエントの世界を想像し、その世界に入り込みます。
今クライエントは、どの様な状況に置かれているのか?
どの様な人間関係に置かれているのか?
誰にどの様な思いを感じているのか?
その悩みから、本当の問題点にどの様に繋がっているかを、想像しなければなりません。
カウンセラーは常に、想像力を磨いて居なければなりません。