心理カウンセラー資格・悩みの謎解き:思春期「1か0」
心の二元論
「1か0」「善か悪」「生か死」「白か黒」・・・等々。物事をどちらかが正しい、間違いと決めつける癖の人が居ます。ある意味で正しいのですが、却って自分の首を絞めている事が多々あります。
数学の問題でしたら、正しい方程式を使いルール通りをして答えを出せば正解です。間違った方程式を使えって答えを出せば不正解です。結果がハッキリしていて、スッキリします。問題ありません。
国語は違います。解釈次第で答えが色々出てきます。どれが本当の正解か分からず不完全燃焼で終ります。何となくそうなのかな?です。
どちらが正しいのでしょうか?ハッキリ答えが出る事と、ファジーに答えが出ることと。
ある意味で「自分らしく」生きています。
心がスッキリ晴れ上がるのと、霧に包まれた感じと、どちらを選びますか?
思春期
丁度、思春期がこの状態です。
幼いときの物事の考え方は「白と黒」で決まっていました。好きか嫌いか、楽しいか苦しいか、褒められるか怒られるか?悪いことをして怒られたらそれで終りで、後は楽しめば良いのです。
心の中に心の中に残ることはありません。イラズラをしたり、嘘を付いて怒られても「ごめんなさい」と言えば許して貰えるので、それで終わりです。一晩眠れば、明日がくるので総てがリセットされています。引きずる事はありません。
でも、思春期に入るとこの様にはいきません。心の中に何か引き摺る物が残ります。怒られて謝ったからそれで終わりの筈が、「後悔」などが残ります。「もう二度と怒られるような事はしてはいけない」「嫌われていけない」などと、他人からの評価を気にするようになり、心の中が晴れることがなくなります。
自分らしく生きていません。他人本位で生きています。これが思春期の入り口です。
ファジー
思春期には、幼いときの思考を再構築します。「白か黒」を「白と黒の間にグレーがある」と。
大人の社会は「グレー」です。物事に白黒を付けていけば人生を送れません。大人は物事が正しいか間違っているかは判断が付きます。でもその通りにすれば物事がスムーズに進まないのです。社会の中で煙たがられます。
嘘を付いてはいけないと言いながら、大人は平然と嘘を付きます。何が正しくて、何が間違いか分からなくなり苦しみますが、そのうちに「その様にする方が楽だ。その方が旨くいく」と学習していきます。
Aの意見とBの意見が対立します。両方の意見は正しいのですが問題点もあります。当然、相手の問題点を追求してぶつかり合います。このままでは決裂で、何も進まなくなります。そこで、お互いが妥協しながら折り合いを付けていきます。「折衷案」を生み出していきます。
白と黒の間のグレーの幅を大きく取っていけるようになる期間が思春期です。グレーの幅が大きい人は世の中に順応しやすいですが、狭い人は融通が利かず対人関係でトラブルを起こしやすくなります。