【心理カウンセラーになるために】第17回:大丈夫?は禁句
大丈夫
私達はよく「大丈夫ですか!」と、問いかけます。クライエントが悩み苦しみ、哀しんでいたりしていると、思わず「大丈夫!」と声掛けをしてしまいます。優しさからクライエントの気持ちを汲んで、共感していると勘違いをして同情していることに気付かずに、声を掛けていることがあります。
これはクライエントの気持ちを共感しているのではなく、同情しているだけです。
逆に、クライエントの心の傷に砂を擦り込ん、更に傷つけていることになります。
思い違い
クライエントは悩みから苦しみ、耐えることに必死になって頑張っています。更なる苦しみから逃れるために、時にはもうこれ以上傷つけられ様に耐え忍んでいるのです。大丈夫な訳がないのです。
なのに、カウンセラーから「大丈夫ですか」と言われても、「何が分かってくれているの?」「もう耐えられないの」「我慢の限界なの」「助けて欲しいの」と心の中で叫んでいるのです。
助けて欲しいから叫んでいるのです。大丈夫でないから叫んでいるのです。それを「大丈夫ですか?と言われても、どうしろと言うの!」と、分かって貰えないと、傷ついていきます。
受験勉強で頑張っている子に、「頑張れ」と言っているのと同じです。子供にとっては「こんなに頑張っているのに、まだ頑張れと言うの」この叫びとと同じです
自分が求めている言葉
クライエントの本当の心の叫びを聴き受け止めて、共感で「大丈夫」と言えば、クライエントは分かって貰えたと、心を開くことが出来ます。
これが出来ないと、「辛そうだから大丈夫」と同情からの言葉しか言えません。クライエントの心には響きません。
「大丈夫ですか」の言葉は、自分が求めている言葉の事が多いのです。自分自身が心配して欲しい、構って欲しい、との叫びがクライエントに発するのです。自分自身が求めている言葉を、いくらクライエントに伝えても響きません。
幼いときに、転んで怪我をしたときに、親から「大丈夫!」と言って、構って貰いたかった思いを、相手に言ってるだけです。
自分自身の叫びと、クライエントの叫びを混同してはいけません。
カウンセラーは自分自身の心の叫びを聴く必要があります。その為に「教育分析カウンセリング」を受ける必要があります。