【心理カウンセラーになるために】第22回:答えを出さない勇気
答えを出さない勇気
カウンセリングに来ればクライエントは答えを貰えると思う人が多く居られます。悩み苦しいのですから、藁をも掴む思いです。当然の事ですが、逆に答えを出すとクライエントを苦しめることになりがちです。答えが出た瞬間はスッキリしていますが、根本的な解決が済んでいませんから、再び悩み苦しみます。これでは意味がありません。本当の悩みの解決をしない限り堂々巡りです。この事は、カウンセラーにも言えます。カウンセラーには答えを出さない勇気が必要です。
落とし穴
カウンセリングを重ねて経験を積むと、クライエントの話を聴いていると悩みのポイントが掴めるようになります。とても大事なことです。クライエントの話の中に「悩みの原因のキーワード」隠されています。何気ない話の端々に、クライエントも気付かないキーワードを発信してくれます。このキーワードから、悩みの根本的な原因に導いていけるように繋いでいきますが、経験が浅いカウンセラーにとっては、一条の光であり、チャンスでもあります。そこから問題解決をして答えに持っていこうとしがちです。ここが落とし穴の時がります。そのポイントに意識が集中しすぎて周りのポイントが見えなくなってしまい、そこに拘ってしまうからです。ポイントを掘り下げてしまい、クライエントも思い込んでしまいますが、真の悩みのテーマではないので、話があっちこっちに飛び火して「畑を荒らした」状態になり、カウンセラーが振り回されて、カウンセリングが前に進まなくなったり、悪化したりします。
キーワードを繋ぐ
ここは、キーワードを繋ぐのです。見つけたキーワードに対して話を聴きますが、答えを出さずに「もしかしてこれが悩みのテーマか?」で留めます。キーワードから派生した話の中から、新たなキーワードを見つけます。その話から「もしかしてこれが悩みのテーマか?」を見つける作業を続けます。このテーマを繋ぎでいきます。初めは細い糸です。その糸を無理矢理引張れば切れてしまいます。細い糸を撚り合わせ、太い糸に結びつけています。そして、真実の悩みのテーマに結びつけます。また、予め導き出した答えを証明する事にもなります。どうしても、クライエントに対して早く答えをと思いがちですが、ここで答えを出さない勇気が必要です。カウンセラーには!