心理カウンセラー資格・悩みの謎解き:家族システム・歯車
自律の道
カウンセリングの勉強をしていて皆さん、自分の「悩み」から少しずつ解放されていきます。そしてたまにあるのですが、受講の途中で「元気になれたので、後は自分の力で頑張っていきます!」と言って、学校から離れていかれます。
本当にこの言葉は、嬉しい事です。しかしまだ「一人で歩いていく」には早い時があります。これは、エサレン研修でもワークショップやセミナーでもよくある事です。カウンセリングや、エサレン研修、ワークショップ、セミナーを受けることにより、力がつき元気になります。自分の力で歩いて、生きる気がします。確かにこの思いは大切です。
しかしながら、「本当の自分の力で歩いている」と錯覚をしてしまう事がよくあります。
家族システム
私達は、家族という「大きなシステム」の歯車として動いています。順調にこの家族システムが動いていれば、問題はありません。自分もそのシステムの歯車として、幸せに回転します。でも、システムが間違っていたら!
問題を抱えながらも「家族システム」は回転を続けます。「アンバランスのバランス」をとりながら。長年の習慣として!お蔭で、問題点にも気づきません。(困った事です!)何の問題意識もありません。歯車は順調に回り続けているのですから。
そんな時、ひとりの歯車が「問題点」に気づき、「自分らしく生きたい」と叫び、「自分らしい回転」を始めたら、「家族全体の回転(システム)」が狂ってきます。これは問題家族にとっては一大事です。
問題点に目をつむり何もない、幸せな家族と思っていた家族にとっては、とても耐えられない事です。幸せ(問題がある)が脅かされるのですから!
問題家族にとって「家族全体の回転(システム)」を乱すものは「悪者」です。「悪者」は倒すべきです。何をしても構いません!いじめようが、バッシングしようが、傷つけようが、見捨てようが、構わないのです。自分達の安全を守るためには!一気に攻めてきて、「健全な歯車の回転」を止めて、もとの回転に戻します。問題家族にとってはこれが「正義」です!
踏ん張り処
私達に「恐怖」が襲ってきます。「見捨てられる恐怖」が!とても辛く苦しい事です。でも、その恐怖を乗越えない限り「自律」は出来ないのです。ここで心が折れてしまうと、元の木阿弥です。問題家族からの解放は出来ません。
歯車の1回転目は凄く力が要ります。問題家族の歯車に逆らうのですから。時には悪い回転の力に引き釣り込められることもあります。ここを踏ん張って1回転をすれば、次の回転は1回転目よりはるかに軽い力で回転が出来ます。
1回転さえ出来れば自信になります。心の中で新しい世界が芽生え、変化が起きます。今まで味わったことのない、清々しい思いが湧き出します。「もう二度とあんな苦しい処には戻りたくない!」「私にもやればできるのだ」と言う思いが、自信に繋がります。カウンセリングもエサレン研修もワークショップ、セミナーにより、「自分らしい回転する歯車」に気付き、「正しい回転」を身につけてもらいます。それを一緒に実践しながら、回せるように実体験してもらいます。そして回せば、どんなに「自分らしく」生きれるか実感してもらいます。私達はそのサポートをするだけです。その場を提供する事しかできません。
後は、自分の力で歯車を回転出来るように、「歯車が自分で回れるようにモーター」を取り付けるのです。自分で回転できるようになれば、家族からの元へ戻す力が来ても、跳ね返す事が出来ます。「自分の人生の歯車を回している」と言う事実に、実感してください。