

伝え方
誰かに何かを言いたいとき、どんな伝え方をしていますか?
たとえば私が子どものとき、母がやっている家事の手伝いを頼まれてやっていたときのこと。
母の言い方はいつもこうでした。
「なんで出来ひんの」
「いつもお母さんがやってるのを見てない証拠」
「あんたほんまに大丈夫か?」
私はこれを聞いていつも怒りと悲しみが混ざった感情になっていました。
なんでもかんでも母の思い通りには出来ない。
自分で考えてやれば「勝手にするな」と怒られていました。
何をやっても怒られ、何もやらなくても怒られ、どうしようもなくなっていました。
自分の思いを伝える側に立ったとき、どうすれば相手に伝わりやすいでしょうか。
「あんたはいつも出来ひん」というような言い方で相手に伝わるでしょうか?
そんなわけはありません。
ではどうしたらよいのでしょうか。
それは「今起きている事実のみ」を「感情を入れず」「何が自分にとって困るのか」を伝えるのです。
先ほど例に挙げた母の言い方だと「事実」は述べられていないのです。
「あんたはいつも出来ひん」というのは母からの見え方のみであり、私がいつも出来ないことが客観的な事実かどうかはわかりません。
また、これには母の感情が乗っています。
母の思い通りにならない怒りがこの一言に乗っているので、私からすれば関係ないことです。
この場合、もし母が「今このお手伝いをしてくれないと家を出る時間が遅れるから困る」と言っていれば?
もしかしたらすんなり手伝っていたかもしれません。
それをイライラする感情を乗せて話してしまうと、相手(私)に伝わらない上に傷つけてしまうのです。
ついつい感情を乗せてしまいがちですが、そこはグッと抑えてみてください。
そして、なぜ今自分は相手の行動に怒りや悲しみなどの反応をしたのか、を考えてみてください。
相手のどんな行動に腹が立ちましたか?悲しみを感じましたか?
そして何故その感情を抱いたのでしょうか?
そう振り返ってみると伝えやすいと思います。
勇気を出して伝え方を変えてみてください。