

行動の四角形とは
心理カウンセラーが解説!トマス・ゴードンの「行動の四角形」
で変わる親子・人間関係
「子どもが宿題をしない」「部下が言うことを聞かない」「夫婦で話がかみ合わない」
日常の中で、人間関係に悩む場面はたくさんありますよね。
心理カウンセリングの現場でもよく聞かれるのが、
「どう伝えたら相手にわかってもらえるのか?」という声です。
そんなときに役立つのが、心理学者トマス・ゴードンが提唱した「行動の四角形(Behavior Window)」 です。
この考え方を知ると、「誰が困っているのか」がはっきりし、
親子関係や夫婦関係、職場の人間関係が驚くほどスムーズになります。
今回は、心理カウンセラーの視点から、
トマス・ゴードンの「行動の四角形」をわかりやすく解説します。
1.トマス・ゴードンとは?
トマス・ゴードン(Thomas Gordon)は、アメリカの臨床心理学者で、
親と子、教師と生徒、上司と部下などの人間関係を改善するためのコミュニケーション法を体系化しました。
彼の代表的なプログラムには以下のようなものがあります:
1、親業(Parent Effectiveness Training:P.E.T.)
2、教師学(Teacher Effectiveness Training:T.E.T.)
3、リーダーシップ・トレーニング
そして、これらの基盤となっているのが 「行動の四角形」 という考え方です。
2.「行動の四角形」とは?
「行動の四角形」とは、相手の行動を見たときに、
「その行動は誰にとって問題なのか」 を4つの領域に分けたものです。
同じ行動でも、困っているのが自分か、相手か、お互いか、誰でもないかによって、
取るべき対応が変わります。
これを理解すると、感情的な衝突を避け、
より建設的なコミュニケーションができるようになります。
3.4つの領域と対応法
領域 | 状況 | 問題の所在 | 例 | 適切な対応 |
---|---|---|---|---|
① 誰の問題でもない | お互い困っていない | なし | 子どもが静かに本を読んでいる | そのまま見守る |
② 自分の問題 | 相手の行動で自分が困っている | 自分 | 子どもが大声で歌っていて親が頭痛 | 「わたしメッセージ」で伝える |
③ 相手の問題 | 相手自身が困っている | 相手 | 子どもが友達とケンカして泣いている | 積極的傾聴で聴く |
④ 双方の問題 | 自分も相手も困っている | 両方 | 宿題をやらない子と、心配する親 | 対立解決法で一緒に解決策を考える |
4.具体的な使い方
① 誰も困っていない → 見守る
「問題がないのに、つい口を出してしまう」ことはありませんか?
行動の四角形では、この状態は「放っておくのが正解」です。
例:「子どもが静かにお絵かきをしている」
→ 親は干渉せず見守ることで、子どもの自主性を育てます。
② 自分の問題 → 「わたしメッセージ」で伝える
相手を責めるのではなく、自分の気持ちを素直に伝えるのがポイントです。
NG例:「うるさい!黙りなさい!」
OK例:「ママは頭が痛いから、少し静かにしてくれると助かるな」
これがゴードンの提唱する 「わたしメッセージ」 です。
相手を否定せず、自分の気持ちを伝えることで、相手も受け入れやすくなります。
③ 相手の問題 → 「積極的傾聴」でサポート
相手が困っているときは、解決策を押し付けるのではなく、まず「聴く」ことが大切です。
例:子どもが「友達に無視された」と泣いているとき
→ 「それは悲しかったね」「つらかったんだね」と気持ちを受け止める
この聴き方を 「積極的傾聴(アクティブリスニング)」 と言います。
相手は「わかってもらえた」と感じることで、気持ちが落ち着き、自分で解決策を見つけやすくなります。
④ 双方の問題 → 一緒に解決
お互い困っているときは、どちらか一方が我慢するのではなく、
「お互いのニーズを満たす解決策」を一緒に探すことが大切です。
例:
子ども「宿題やりたくない」
親「やらないとテストが心配」
→「夕飯前に30分だけやるのはどう?」と、話し合って決める
これが 「対立解決法」 です。
お互いが納得する形で進めることで、信頼関係が深まります。
5.心理カウンセリングでの活用
心理カウンセラーとして相談を受けるときも、この「行動の四角形」を意識すると、
クライエントの気持ちを整理しやすくなります。
例えば、
1、「子どもが勉強しない」 → 本当は親自身の不安が問題(自分の問題)
2、「友達と関係がうまくいかない」 → 相手が困っているときは傾聴が大切(相手の問題)
この見極めができるだけで、適切なカウンセリングが可能になります。
6.まとめ:行動の四角形で人間関係は変わる
トマス・ゴードンの「行動の四角形」は、
「誰の問題なのか」を見極めて、最適な関わり方を選ぶためのツール です。
1、誰も困っていない → 見守る
2、自分が困っている → わたしメッセージ
3、相手が困っている → 積極的傾聴
4、お互い困っている → 対立解決法
この考え方を実践すれば、
親子関係・夫婦関係・職場関係など、あらゆる人間関係がスムーズになります。
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