無意識の修正
無意識を修正する ― TKN心理サロンが考える「心が変わる本質」
執筆:金崎(TKN心理サロン)
■ はじめに
私たちの心は、意識して考えている部分よりも、むしろ「無意識」が大きく人生を動かしています。
「分かっているのに行動できない」
「やめたいのにやめられない」
「気づくと同じパターンで失敗している」
心理カウンセリングの現場でよく聞く言葉ですが、これは意志の弱さでも性格の悪さでもありません。
すべては**“無意識のプログラム”**が動いているためです。
TKN心理サロンでは、カウンセリングを通して“無意識そのものを修正する”ことを中心に据えています。
今回のブログでは、無意識がどのように形成され、なぜ人を苦しめるのか、そしてどのように修正していくのかを、実際のカウンセリングで行うアプローチに近い形で解説していきます。
■ 1. 「無意識」とは何か
無意識とは、一言で言えば**“自動的に心と行動を動かすプログラム”**です。
そして、そのほとんどは子ども時代、特に0〜6歳の間に形成されます。
● 無意識がつくられる3つの要素
親との関わり(養育環境)
生まれ持った気質
繰り返し体験した出来事
例えばこんな声が無意識にこびりつきます。
「どうせ私は愛されない」
「頑張らないと価値がない」
「人は裏切るものだ」
「本音を言ったら嫌われる」
これらは大人になってからも強力に働き続け、恋愛、仕事、人間関係、自己イメージすべてに影響します。
■ 2. 無意識を放置するとどうなるか
無意識は“自動操縦”なので、本人が意識していなくても同じパターンを繰り返します。
以下は典型的な例です。
● ① 恋愛がうまくいかない人の無意識
1、「愛される価値がない」という無意識を持つ
2、優しくされると不安になる
3、ダメな相手に惹かれる
4、うまくいかない恋愛を繰り返す
※意識では「幸せになりたい」と思っているのに、無意識は「愛されないパターン」を再現しようとする。
● ② 職場で頑張りすぎて潰れる人の無意識
1、子どもの頃に「いい子でいないと認めてもらえない」と学習
2、無意識が「休んではダメ」「頼ってはダメ」と命令
3、限界まで頑張ってしまい、燃え尽きる
● ③ 人との距離感が苦手な人の無意識
1、過去に人間関係で傷ついた経験がある
2、「近づくと裏切られる」「心を開くと危険」
3、無意識で防御しすぎて、人が離れる
どれも“性格”ではありません。
原因は、たった一つ。
無意識のプログラムが古いままだから。
■ 3. 無意識は「事実」ではなく「思い込み」
無意識の中身は、ほとんどが“思い込み”です。
それは、幼い子どもが狭い世界で受け取った“解釈”でしかありません。
● 無意識の例
1、叱られた → 「私はダメな子」
2、親が忙しい → 「愛されていない」
3、比較された → 「価値がない」
4、家族がケンカ → 「私のせいだ」
子どもは世界を広く見渡せません。
だから、誤解したまま大人になるのです。
そしてその誤解が、今のあなたの行動・感情・選ぶ人・選ぶ仕事…すべてに影響している。
だからこそ、無意識を修正すると人生が大きく変わるのです。
■ 4. 無意識は「気合」では変わらない
よくある勘違いは、
「強い意志で変わる」
「ポジティブに考えればOK」
これは、ほぼ失敗します。
人間の心は、
意識(5%) < 無意識(95%)
と言われています。
身体で例えると、
1、意識=手動
2、無意識=自動
です。
無意識が「やめたくない」「変わりたくない」と握りしめていると、意識でどれだけ頑張っても上書きされません。
だからこそ、カウンセリングでは“無意識にアクセスする”ことが最重要なのです。
■ 5. 無意識を修正するための3ステップ
TKN心理サロンでは、無意識の修正を次の3ステップで進めます。
STEP1:無意識を可視化する
まず、クライエントさん自身が気づいていない無意識を明らかにします。
● 手法
1、カウンセリング対話
2、心理テスト
3、生育歴の掘り下げ
4、感情のパターン分析
たとえば、
1、いつも同じ場面で不安になる
2、決まって同じタイプの人に惹かれる
3、ある言葉に過剰反応する
こうした“繰り返し現れるパターン”から、無意識の正体が見えてきます。
STEP2:無意識の正体を理解する
無意識を見つけたら、その意味を理解します。
● 無意識は「あなたを守るため」に作られた
どんなネガティブな無意識でも、
もともとはあなたを守るために作られたものです。
例:
1、「頑張りすぎる人」は、子どもの頃に“頑張らないと生きられなかった”
2、「人を拒絶する人」は、過去に心を開いて傷ついた
3、「自分に価値がないと感じる人」は、周囲の期待が高すぎた
理解すると、自己否定ではなく自己理解が始まります。
ここで初めて、修正の準備が整います。
STEP3:無意識を書き換える(再体験・再定義)
理解した無意識に対して、
「今の自分」に合う新しいプログラムへ書き換える作業
これが最終ステップです。
● 書き換えの方法
1、感情の再体験
2、インナーチャイルドワーク
3、認知の再定義
4、思考パターンの再構築
5、安全な対話的体験の積み重ね
6、セルフ・リペア技法
7、心の器を広げるワーク
例えば、
「私は愛されない」という無意識があれば、
「本当は愛されてよかった」「愛される存在だった」
という新しい認知を安全な場で積み重ねていく。
これを丁寧に繰り返すと、
心が“勝手に”変わり始めます。
■ 6. 無意識が修正されると人生はどう変わるか
無意識が変わると、外側の行動も人間関係も自然と変化します。
● ① 恋愛パターンが変わる
1、ダメな人を選ばなくなる
2、怖くて言えなかった本音が伝えられる
3、無理に尽くさなくなる
4、“穏やかで安心できる相手”に惹かれるようになる
● ② 職場でのストレスが劇的に減る
1、頼れるようになる
2、無理しすぎない
3、自分の価値が実感できる
4、過剰に反応しなくなる
● ③ 家族関係が変わる
1、親との距離の取り方が上手くなる
2、子育ての不安が減る
3、パートナーシップが良くなる
● ④ 自己肯定感が自然に上がる
“頑張って上げる”のではなく
勝手に上がる
これが最大の変化です。
■ 7. 無意識の修正は「人生の再スタート」
心の苦しさは、
“今のあなたの問題”ではありません。
原因は、
昔のあなたの無意識
です。
無意識を修正するということは、
“人生の操作システムをアップデートする”こと。
この作業を終えたクライエントさんは、必ずこう言います。
「世界が明るく見える」
「人と関わることが怖くなくなった」
「人生が軽くなった」
「ようやくスタート地点に立てた気がする」
■ 8. 無意識を変えるために必要なのは「安全な関係」
無意識は、危険だと感じる場所では絶対に開きません。
だからこそ、TKN心理サロンでは
安心・安全・尊重
を何より大切にしています。
心理カウンセリングは、
“心の手術”のようなものです。
信頼の土台がなければ、
無意識は絶対に触らせてくれません。
■ 9. TKN心理サロンが大切にしていること
クライエントの人生を否定しない
無意識をゆっくり温かく扱う
心の深い部分まで寄り添う
表面的なアドバイスはしない
変化を急がせない
「本人の力」を信じる
問題ではなく“心”を見る
無意識の修正は、技術だけではできません。
最も大切なのは、
クライエントを信じる姿勢
です。
■ 10. 最後に ― 心は必ず変えられる
どれだけ長い間苦しんできたとしても、
どれだけ同じパターンを繰り返してきたとしても、
“無意識が変われば、人生は必ず変わる”
これは、数えきれないクライエントの変化を見てきた私(金崎)が断言できる真実です。
無意識は、あなたの敵ではありません。
あなたを守り続けた、小さなあなた自身です。
だからこそ、
ゆっくり、丁寧に寄り添いながら
一緒にアップデートしてあげてください。
TKN心理サロンは、
そのための伴走者です。

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