SNSカウンセリングとは?
SNSカウンセラーとは——オンライン時代のこころの支えになる新しい相談形態**
【はじめに】
現代は、誰もがスマホを握りしめ、朝起きてから寝る直前まで、SNSを通して人とつながる時代になった。
SNSは便利で楽しい半面、そこにはトラブル、比較、誹謗中傷、孤独、不安など、複雑な心の負担も渦巻いている。
そんな中、「SNSカウンセラー」という新しい相談スタイルが広がりつつある。
SNSカウンセラーとは、LINE、Instagram、X(旧Twitter)、Facebook、DM、チャット形式など、SNSを活用して心理相談を行うカウンセラーのことだ。
直接会うカウンセリングとは異なり、SNSだからこその強みがあり、逆にSNSだからこそ必要な専門性もある。
TKN心理サロンとして、対面のカウンセリングを大切にしつつも、この新しい時代の相談方法をどう捉えるか。
その本質、役割、メリット、危険性、求められるスキル、そしてSNSカウンセラーが目指すべき姿について、ここで詳しく解説していく。
【第1章】SNS時代の「相談ニーズ」はどう変化したか
かつて、人が悩みを相談する場所といえば、対面、電話、もしくは友人同士の会話が中心だった。
しかし、SNSの普及によって、相談の形は大きく変わった。
●1.「今すぐ誰かに聞いてほしい」という欲求が強まった
SNSでは、情報も人間関係も“リアルタイム”。
だからこそ、悩みも「その瞬間」の気持ちを吐き出したくなる。
SNSカウンセラーは、そのスピード感に寄り添う必要がある。
●2.「対面で話すのが苦手」な人の相談ハードルが下がった
現代の若者を中心に、
・対面が緊張する
・声を出すのがつらい
・上手く説明できる自信がない
という人が急増している。
文字で相談できるSNSは、まさに彼らにとっての“心の避難所”になり得る。
●3.孤独の質が変わった
SNSでつながっているのに孤独。
見られているのに分かってもらえない。
「つながりの中の孤独」が増えたことで、心のSOSも複雑化した。
SNSカウンセラーは、目に見えない孤独を読み解く力が求められる。
【第2章】SNSカウンセラーとは何をする人?
SNSカウンセラーは、SNS上で相談者の悩みを受け止め、支え、整理し、必要であれば適切な専門機関に繋ぐ役割を担う。
●1. 文字・DMを中心とした心理相談
もっとも一般的なのが、
・LINE
・Instagram DM
・XのDM
・Facebookのメッセンジャー
などを用いたメッセージ相談だ。
対面と違って、相談者のペースで書けるため、感情を言語化しやすい。
●2. 匿名性によって“本音”が出やすい
匿名アカウントで相談する人も多いため、抑圧してきた本音、周囲には言えない悩みが出やすい。
SNSカウンセラーは、この“匿名性の心理”を理解する必要がある。
●3. 傾聴・受容・共感のオンライン版
文字であっても、
・心に寄り添う言葉
・ジャッジしない姿勢
・丁寧なレスポンス
は絶対に必要。
むしろ対面以上に慎重な言葉選びが求められる。
●4. 危機介入・安全確保
SNSでは、
「死にたい」「消えたい」「全部終わらせたい」
という投稿が突然送られてくることもある。
SNSカウンセラーは、
・緊急度の見立て
・必要な機関への誘導
・相談者の安全を守る行動
を的確に行う能力が求められる。
【第3章】SNSカウンセラーのメリット
●1. 圧倒的に相談しやすい
家、職場、学校…どこにいても相談できる。
この“距離のなさ”は大きい。
●2. 感情を整理しながら送れる
文字を書く過程で、相談者自身が気持ちを整理していく。
これはSNS特有のメリットだ。
●3. スマホで完結するため継続しやすい
対面相談のように移動・予約などのハードルがない。
そのため、継続的なサポートにつながりやすい。
●4. 若者との相性が非常に良い
若者の“日常のコミュニケーション手段”がSNSであるため、
SNSカウンセラーは自然に受け入れられやすい。
【第4章】SNSカウンセラーの課題と危険性
メリットが多い一方で、SNS相談には独特の危険もある。
●1. 相談者が過度に依存しやすい
SNSは“近すぎる距離感”が生まれやすく、
「ずっと返信してくれる存在」
となってしまう risk がある。
●2. 文字だけでは見えない情報が多い
表情、声、雰囲気など、対面では得られる情報が欠けている。
だからこそ、細心の注意が必要である。
●3. カウンセラーが疲弊しやすい
24時間スマホに通知が届き、
「返さなきゃいけない」と思ってしまうと、
カウンセラー自身の心が摩耗していく。
●4. 専門性のない“自称カウンセラー”による被害
心理学を学んでいない人が、
SNSで「カウンセラー」を名乗り、人を傷つけるケースもある。
これは大きな社会問題だ。
【第5章】SNSカウンセラーに必要なスキル
SNSは便利だが、専門職として関わるには慎重さが不可欠だ。
●1. 心理学とカウンセリングの基礎
・傾聴
・共感
・受容
・質問技法
・見立て
・倫理
これらは必須であり、対面以上に繊細に扱う必要がある。
●2. “オンライン特有の文脈”を読む力
文字には表情がない。
だからこそ、
・句読点
・絵文字
・急に返信が途絶えた理由
・文章量
・改行の仕方
などから、相談者の状態を読み取る必要がある。
●3. 危機対応の知識
希死念慮の対応、DV、虐待、依存、メンタル疾患の兆候…。
SNSでは深刻な相談も届くため、
専門機関につなぐ判断力と知識が不可欠だ。
●4. 境界線(バウンダリー)管理
SNSカウンセラーは、物理的な距離は遠いが心理的距離は近く感じられる。
そのため、
「ここまでは対応する」「これは専門外」
という明確な境界線を持っていなければ、双方が破綻する。
【第6章】SNSカウンセラーという仕事が社会に必要な理由
●1. 誰かにつながりたいけど、誰にも言えない人が増えた
日常は笑顔で過ごしていても、スマホの裏側で泣いている人がいる。
その“声にならない声”を拾えるのがSNSの世界だ。
●2. 若者の心のケアに必須
10代〜30代の多くが「相談はSNSでできるほうが安心」と答えている。
時代に合わせた相談体制が必要だ。
●3. 心理支援の選択肢を増やす
対面が正解、オンラインが正解ではない。
相談者が自分に合う方法を選べることが大切だ。
●4. 早期発見・予防につながる
深刻化する前に小さなSOSを拾える。
これはSNSならではの大きな役割だ。
【第7章】TKN心理サロンが考える「健全なSNSカウンセラー像」
TKN心理サロンでは、SNSカウンセラーを
“手軽に相談できる存在”ではなく、“安心して相談できる専門家”
として育てることが重要だと考えている。
●1. 専門知識に基づいた、安全で倫理的な支援を行う
SNSだからこそ、倫理が必須。
返信頻度・対応範囲・相談の限界を明確にし、
相談者を守るカウンセラーであることが重要。
●2. 相談者が自立していけるよう支援する
SNSカウンセラーは、寄り添うだけの存在ではない。
相談者が“自分で立てる力”を取り戻せるよう導く必要がある。
●3. カウンセラー自身のメンタルケアを怠らない
専門職が壊れれば、相談者も壊れる。
自己理解・スーパービジョン・境界線の管理は絶対だ。
●4. SNSの特性に精通し、逆に振り回されない
アルゴリズム、炎上、DMの特性、匿名文化…。
SNSを理解した上で、健全に支援する視点が求められる。
【第8章】SNSカウンセラーを目指す人へ
SNSカウンセラーは、これからの時代に必要とされる重要な心理支援の形だ。
しかし、軽くできる仕事ではない。
SNSは便利である一方で、相談者の感情が生のまま届き、危機的状況にも直面する。
だからこそ、
・心理学の学び
・専門的な訓練
・倫理観
・自己理解
が不可欠である。
TKN心理サロンでは、
対人援助の土台となるカウンセリング理論と技法を大切にしつつ、
現代に対応したSNS支援のあり方も含めて育成していく。
あなたがSNSカウンセラーを目指す理由が、
“誰かの心に手を差し伸べたい”という思いであるなら、
その思いを大切にし、ぜひ専門的な学びを深めてほしい。
【終わりに】
SNSが当たり前になった今、
心の居場所もまたSNSの中に移動している。
だからこそ、SNSカウンセラーは、これからの時代に欠かせない存在だ。
対面では話せないことも、文字だから言える。
泣きながら打ったメッセージに、そっと寄り添ってくれる存在がいるだけで、
救われる人が確かにいる。
TKN心理サロンは、
“時代に合わせた新しいカウンセラー像”
と
“変わらない本質的なカウンセリング”
この両方を大切にしながら、
SNSカウンセラーの未来を育てていく。
あなたがその一歩を踏み出すなら、
SNSの向こうで誰かを支える力を、
必ず身につけることができる。
TKN心理サロンでは、SNSカウンセリング業務を行っています。
一緒にカウンセラーとして活躍しませんか?
まずは、体験講座で学校の雰囲気を見に来てください。
プロフェッショナル心理カウンセラー
金崎健二

体験講座